PILATES

最近流行のヨガと、混同されやすいピラティスですが、

なぜ、ピラティスなのでしょうか? ヨガとの違いは何でしょう?

そもそも、ピラティスとは一体何なのでしょう? ダンスとの関係はあるのでしょうか?

では、ゆっくりと見ていきましょう!

ピラティスとは?

ピラティスとは、もともと、骨や筋肉を正しく使うための、リハビリ用のトレーニングです。

自分の体がどんなふうに動いて、どう動かすと楽で、どの動きがキツイのか、

痛いところはどこなのか、ひとつひとつ動かすパーツを意識して行うので、

「シンキング・エクササイズ」とも言われています。

 

ピラティスは、腰や肩まわりの筋肉が安定し、首や肩のコリをほぐして腰痛を改善してくれます。

また、内臓まわりの硬くなった筋肉をマッサージして、腸が活発になり、便秘が治ったり、

リンパの流れや血行が良くなり、体が活性化して冷え性やむくみが解消などの効果もあります。

 

体に優しく動くピラティスは、さまざまなダメージを受けた体をいやしてよみがえらせていく、

本質的に「こころとからだのエクササイズ」なのです。

 

筋肉を楽に伸ばして、持続しながら、ふっとゆるめる。こうした動きを基本とするピラティスは、

これまでの考え方とは、まったく違うエクササイズといえるでしょう。

 

ピラティスで動かす

重視されているのは、人間の体の中心(コア)にある、骨盤や背骨の位置を決める筋肉です。

そのためピラティスでは、目には見えない、体の深いところ(インナー)の筋肉を鍛えます。

そうすれば、筋肉がやわらかく柔軟になるので、体つきがしなやかになりバランス良くなります。

関節がしなやかになると、体をダメージから守ってくれ、動作が伸びやかで優雅になります。

 

創始者ジョセフ・ピラティス

ジョセフ・ピラティスは、痛めた体を作り上げるうえで「呼吸」が大事であると考えました。

第一次世界大戦の間に、負傷した兵士たちを看る、医療現場で働いて、兵士のリハビリとして、

この方法を創ったからです。その後、情感あふれるダンスの優雅な動きを、科学的な動きの

分析に 成功した、ルドルフ・ラバンに出会い、動きについての哲学をさらに洗練していきます。

そして1926年にアメリカに渡り、ニューヨークで著名なダンサーたちに、

スタジオで、兵士ではなく、ダンサーに適するように、ピラティスを教えました。

そこで、ダンサーたちは、自分の体がしなやかになり、故障がおこりにくくなっていることに気づきます。

これが、ダンサー達の間で、話題になり、レッスンにも取り入れられ、

現在のピラティスに至ります。ピラティスの創始者は、ジョセフ・ピラティスですが、現代では解剖学や

運動生理学などの研究が進んでいて、たくさんの新しい情報があります。 そこにヨガのエッセンスなど

多くの人たちのアイデアが加わり、100年近くをかけて、私たちに伝わっています。

現在ピラティスは、アメリカやヨーロッパのショービジネス界では常識になっています。

しなやかな関節は、ダンサーが演技するときに、体を痛めないようにするため必要なのです。

 

 

自分のペースでゆっくりはじめましょう!

筋肉の伸び縮みによって、骨についている腱が引っ張られることで、体は動くことができます。

私たちの体は、ひとつに繋がっています。ピラティスは、背骨の動き一本ずつに注目したものです。

背骨の周りの筋肉を、ほぐして正確に使います。

筋肉は体全体と、内臓の動きに関わる重要な組織です。

緊張が抜けないまま、間違った姿勢で行うとエクササイズの効果がなくなります。

 

筋トレとの違い

鍛えられた肉体は魅力的ですが、トレーニングをしなくなったら、すぐにプヨプヨになります。

ピラティスは、表面を鍛える筋力トレーニングやエアロビクス、ラジオ体操の動きとも違います。

目に見えない筋肉が使われ、体の中心が安定することで、さまざまな動作が負担をかけずに行え、

筋肉のバランスを正しい状態に戻すことができます。

 

リラックスして体をのびのび動かす

エクササイズでは、体もこころもリラックスした状態で行います。

十分にリラックスすることで、固くなった筋肉をほぐし、関節をやわらくすることができます。

すると、体をのびのびと動かせるようになり、エクササイズの効果がアップします。

 

体全体をなめらかに動かす

自分の体の重さだけで、全身の動きがコアの筋肉に、スムーズに連動するようになると、

背骨が安定し、体のパーツを正確に動かせるようになります。

骨や筋肉の、本来の流れにそったエクササイズを続けると、どんな小さな動きでも、

なめらかな全身運動になります。

 

はずみをつけず、ゆっくり動かす

はずみをつけずに、ゆったりと体を動かし、少しだけの動きで調整していきます。

インナーマッスルに働きかけるのがねらいなので、動きの強さ激しさは、なめらかさに厳禁です。

 

深くゆっくりとした呼吸

ゆっくりとした深い呼吸は、関節や筋肉に、酸素をたくさん送ることができ、しなやかな体づくりに

つながります。まず、5秒間を目安に息をゆっくりと吸い、体を動かしながら5秒間ゆっくりと

吐いていきましょう。また難しければ、息を止めないように気をつけましょう。

 

自分のコンディションをしっかり理解する

体と心が十分リラックスした状態で、体のバランスが整ってくると、自分の体のコンディションも、

自然によくわかるようになってきます。

自分の体力や、体を動かすときのクセなどを理解し、体に負担をかけてしまう動きや、

間違った体の使い方は避けるようにしましょう。

また、自分の体調に合わせ、自分で判断したり、力まずに無理をしないことも大切です。

お水や白湯を飲み、体をきれいに老廃物をたくさん流すこと(デトックス)にも心がけましょう。

 


いかがでしょうか?お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、

解剖学や、運動生理学、身体心理学をとりいれた、新プログラムとも似ていますね。

マリ子ダンスシアターの新プログラムは、ダンスのプログラムです。

ダンサーのトレーニングに欠かせないバレエのように、

ピラティスの要素もごく自然に取り入れられています。

もちろん、その目的は、もともとのピラティスのように、兵士が戦争にいくためではなく、

活き活きと踊る為に「心身の健康を取り戻す要素」がたくさん入っているのが、

マリ子ダンスシアターの新プログラムの特徴になります。

 

by Mariko Dance Theatre