【ダンスの法技と歴史】

古代ギリシアでは、教育のためにダンスが踊られました。

あのプラトンやアリストテレスも、舞踊家になるためではなく、身体的にも健康で、

精神的(知的&情的)にも健康な人間を作るための教育の方法としてダンスを踊っていました。


現代のダンスの教育は、「○○踊りを学ぶ」という振りではなく、

クリエイティブなプロセスを体験させるという方法の教育が主流です。

 

バレエとは? -起源と誕生-

バレエの歴史は、約500年以上前にも遡れます。

その起源は、イタリアの宮廷で貴族たちが、余興として楽しむものでした。 バレエの誕生は、イタリアのお姫様がフランス王室に嫁いだことから始まりました。 西洋では 古典バレエを「物語を踊りによって表現する演劇」 と捉えられています。 バレエを知ろうとすれば、西洋の歴史や文化、その背景を知ることにも繋がります。 これらは現在、どこでも知ることができますので、皆さんにお任せします。ヨーロッパには私たちの想像を超える数多くの文献が残されています。なが~い歴史や誕生秘話をひも解けば、新しい驚きと発見があり、楽しいかもしれません。その歴史は現在の私たちにも受け継がれています。

Jazz Dance って?

Jazz Danceの始まりは、黒人の奴隷制度の苦しみや、社会における差別を超えて、生きる力や希望、魂をリズムで感じるためでした。 黒人たちが白人のタップダンスのようにリズムを脚の動きで表現し、自分達の生命の踊りをはじめ、ジャズの音楽と共に踊られました。その活動が広まり、Jazz Dance のパイオニアの、キャサリン・ダンハムが白人達にJazz Danceを紹介しました。キャサリン・ダンハムは黒人で初めてバレエカンパニーを創り、黒人で初めてブロードウェイの舞台に立ちました。
 
その後、白人たちがWhite JazzShow Jazzとしてビジネスを成功させました。有名な作品に70年代にアメリカでヒットした「コーラスライン」、80年代にイギリスでヒットした「キャッツ」などがあります。 Modern Jazz Danceは、このJazz Danceがバレエやコンテンポラリー、ヒップホップなどの他の種類のダンスに影響を受けたものです。音楽の使い方などはバレエのテクニックが取り入れられています。Jazz Danceのカリキュラムにはバレエとモダンのトレーニングが入れられています。 さらに、プロのダンサーの仕事、ミュージカルなら声楽、バックダンスならコマーシャルジャズやストリートダンスを付け加えトレーニングしていきます。
 
ストリート系のダンスは、「ストリートジャズ」「ヒップホップ」「ワック」「ハウス」「ロック」「コマーシャルジャズ」などに分かれています。ちなみに海外では、ストリートダンスだけの人は、素人という扱いを受けがちです。ストリートダンサーもバレエが踊れることが、本当のプロとされています。
 
これらは、過酷な労働の中でも、祖国のアフリカの大地を忘れることなかった、大切な儀式や生活に深く結びついた、黒人たちの『自由な音楽とダンス』が、根源にあります。

モダン・ダンスって?

白人たちもまた、生きる力や希望を感じるために、科学技術の発展と共に、型を破りながら、生命の踊りを発展させてきました。こうしてダンスは「時代を映す鏡」にもなっています。モダンダンスが、もっとも盛んで、発展したのがアメリカ合衆国です。ダンスについて、独自の考え方やスタイルが次々に発明され、その多くを受け入れたのがドイツです。


この新しい思想や動きに様々な名前が付けられました。女性を身体的にも縛りつけ、奇形化させるコルセットやトウシューズから解放されるべきという運動も盛んに行われました。

 

バレエも、典型的な物語をなくし、抽象的に踊られました。女性も人を持ち上げたり、髪を短く切った女性が舞台に現れたりしました。シューズを脱ぎ素足で踊ったり、これまでの「絶対こうであるべきだ」という、人間を人間が縛り付けるもの「人々の考え」 そのものを、ダンスで解放することに、勇気をもって、失敗しながら挑戦しました。今では当たり前のことも、当時はタブーで、公演によっては大変センセーショナルな出来事を起こしました。 古い慣習やしきたりを時代に合わせて、ダンスもアップデートしていったのです。

 

もちろん、刷新することによって、新たな問題が発生したりもしました。 例えば、身体美を追求するあまり、摂食障害のダンサーを生み出したり、心や感情のネガティブな表現を、追及しすぎて、精神病院行きになるダンサーを、生み出したりしています。 そのことも同時に、私たちは考えていかなければなりません。

コンテンポラリー・ダンスって?

最近は、コンテンポラリー・ダンスという言葉も、メディアで多く聞かれるようになってきました。「何でもありで、自由に表現できる!」と言われたりします。けれど、本当は、それだけでは不十分です。初めは新鮮かもしれませんが、それでは、観客もすぐに飽きてしまいます。単なる、でたらめなダンスと区別するために、ルドルフ・ラバンがダンスが空間芸術であるということを証明した功績は多大です。


一部の特権階級のダンスとしてだけでなく、誰もがクリエイティブなプロセスを体験することで、人間の教養を高めることができることが発見されました。グローバル化した現代は、経済やITの発達とともに、どのように国境を超え、人と繋がり、活動して生きるのか、私たち自身に問われます。ドイツはもちろん、ラバンがドイツからイギリスに亡命した関係で、イギリスでも、地道にコンテンポラリーダンスの活動が行われています。今では、フランスなど海外の世界的に有名なバレエ団も、コンテンポラリーダンスの演目を上演しています。

 

参考に、「さあさんの秘密の小窓」というサイトに “ダンス” のことが書かれてあります。

ダンスを専門にされるのでなく、医療の現場で生きるということを個として問い続けられています。さて、みなさんは、何を自分に 問いかけていますか? 

 

マーガレット・ドゥブラーのダンスの理論 

 "Dance" の前書き  では、‘生命力とは?’ から始まっています。  

 

(※リンク先は、許可を頂いております。さあさんご協力どうも有難うございました。)

即興法:一番大切な生きるダンステクニック

即興法は、人として生き方の質を高め、存在そのものが “ - 生きた芸術(おどり)- ” となる可能性を秘めています。自由に踊るには、自由を正しく理解することです。即興の導入と、段階を学ぶ過程で、認知、視野、感覚がかわります。これらの新たな気づきによって、言動も表現豊かに柔軟性が育ちます。 自由と言われ、めちゃくちゃに踊るだけでは、体は疲れますが、何も変わりません。個人が創造的に解放されて育つには、そのためのルールや理論を理解することです。「分別のあるところで、全ての調和とバランスをみつける」そして「個として判断・選択していることを、自覚、体感する」 ことです。 そのためには『豊かな体験知をもち、自身を修復・回復・再生させて調整し、自分が理解したことを、そのまま表現することへの責任感を、持ち合わせること』が、きっかけとなります。

 

by Mariko Dance Theatre